2013年3月16日(土)味と文化の京都ぼっちツアー

  • 先週に引き続き文化的生活大絶賛強化中です。

  • (2013年3月18日(月) 午後5時28分33秒 更新)
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中国彩膳にじょう

個人的に京都で中国料理と言えば キリンちゃんにおしえてもらった京都市役所近くの「桂心」が気に入ってて、ランチしか食べた事ないけど、おいしいだけじゃなく、特にお昼は手軽なお値段でお腹いっぱいになれるところも魅力だと思う。ランチ限定の1300円の香港午膳には「シェフからの逸品」っていうのがついてて、それが意外としっかりしたものだったりすると、思いがけないお得感を感じたりして楽しいのです。

それはさておき、今日は近くに行く用があったから、前から少し気になっていた創作料理と中国料理のお店「中国彩膳にじょう」に行ってみた。こちらは桂心とちがって、創作料理色が強い中国料理で、今回いただいたのは2100円のランチ。どのお料理も上品な味わいでおいしかった! ぼっちランチには過ぎたぜいたくだけど、かっとしてやった。まったく後悔していない。本日、京都で中国料理と言えば「中国彩膳にじょう」という新たなマイ定番が心に刻まれました。また行きたいなあ。

京都駅からも歩いて行けなくはない距離だから、京都駅界隈で食べるところに困ったときもおすすめ☆ 京都駅界隈ってけっこう難題だよね?

エコール・ド・東山 Ecole de Touzan

本日のメインイベントはハイアットリージェンシー京都の地下にあるバー「Touzan」で開かれる「エコール・ド・東山 Ecole de Touzan」。なんでも京大大学院の若い研究者が主催している研究発表会だそうで、多くのひとに研究成果を知ってもらうとともに異分野の研究者同士や一般市民が交流する場を提供することも目論見としているようだった。

今回の発表は星空案内人「星のソムリエ」でもある廣瀬匠(@kippis_sg)さんによる天文学史やインド天文学のお話。廣瀬さんはツイッターで、(海外で発信されているものを含め)天文関係の興味深い話題を日本語の要約とともによくツイートしていて、それがおもしろかったから、僕は何をしている人かも知らずにしばらく前からフォローしていたんだけど、実はこのイベントに行こうと思ったのも、廣瀬さんがツイッターで紹介していたからだったりする。

しかしよくまあこんないいところに会場を確保できたもんだと思った。なんかツテがあったんでしょか。会場に迎え入れてくれた中心メンバーの方々もなんだかおしゃれ。えー、僕の知ってる京大生と全然ちなう(自分は京大生じゃなかったですが)。

数年前 CSS の普及期にウェブサイト制作者の間で勉強会が流行ったことがあるんだけど、そのときは京都だとみなさんこことかこのへんを借りてやっていた。参加費は割り勘か、1,000〜2,000円程度。若いとは言えない世代も来てたけど、むしろフラットで学生っぽいノリだった気がする。極力お金をかけず、各自飲み物と会によってはおやつ(笑)を持ち込むのがフツウで、初めてでもお互い話しかけやすいよう胸に名札を貼付けることをルールにしてみたり、和気あいあいとやっていた。最近も大阪では大小いろいろやっているみたい。

けど考えてみれば、大学にいたらそういうのは学内でふだんやっているわけで、あえてこういうところでやるってところにおもしろみがあるんだろうね。あと一般向けという意味でも、みんなで机運んだりするんじゃ、年配の方は参加しにくいだろうし(笑)。

いや単に予想外に上流階級な雰囲気にすこしばかり気圧されたわけなんですが。あとふだん引きこもってるんで、移動しにくい暗がりの中で交流を促されたのにもちょっととまどってしまって。ステキな場所だけど初対面同士が交流するのにはやや向いていない気はする。でも常連の皆さんが上手にフォローしてくださったので、楽しく過ごせました。

で、せっかくなので名刺配りまくってきた。ビジネス色が強くない場所で名刺交換するのってほんとはあんまり好きじゃないんだけど、FAXなくしたのにFAX番号書いてある名刺を早くなくしたいから配れるときには配るのデス☆ で、つぎ名刺作るときは、肩書きはどうでもいいから何やっているのかもう少し具体的にわかるようなものにしようと思った。配っといてなんだけど、後で見て何やれる人なのかわかるものじゃないと名刺の意味ってあまりないな。

廣瀬さんのお話はとてもおもしろくて2時間があっと言う間だった。前半では現代も使われている曜日が考案された過程がおもしろかった。メソポタミア、ギリシア、エジプト、それぞれの文明が互いに影響しあいながら、現代にも引き継がれている星座や時間の単位を生み出し、それらはインドを経て遠く日本にも伝わって行ったんだね。

エジプトでは夜明け前にシリウスが現れるころ、ナイル氾濫が起きて大地に恵みをもたらすため、この時期を新年と定めたそうな。そしてシリウスを起点に、だいたい10日ごとに現れる星を旬星と定め、一年を36分割した。さらに一日も旬星によって36分割したんだけど、特に重視された新年のころは夏に当たり、夜が短く、夜の時間が12旬星分、昼の時間が24旬星分になっていた。それがいつしか、昼も夜に合わせて12分割されるようになり(当然昼の一時間は夜の一時間より長くなる=不定時法)、あわせて24時間とされるようになった。

で、驚いたことにギリシアでは天動説の下、明るさや動きの速さから、地球から見た惑星の配置が既に推測されていて、外側から土星、木星、火星、太陽(!)、金星、水星、月の順番で並んでいるとされていた。その知識を元に、最も遠く天に近い土星が第一日の第一時を支配するとし、第二時を木星が、第三時を火星が支配すると考えると、第二日の第一時は太陽が支配することになる。

つまり第一日が…

1=土星2=木星3=火星4=太陽5=金星6=水星7=月
8=土星9=木星10=火星11=太陽12=金星13=水星14=月
15=土星16=木星17=火星18=太陽19=金星20=水星21=月
22=土星23=木星24=火星

となるから第二日は太陽から始まり…

1=太陽2=金星3=水星4=月5=土星6=木星7=火星
8=太陽9=金星10=水星11=月12=土星13=木星14=火星
15=太陽16=金星17=水星18=月19=土星20=木星21=火星
22=太陽23=金星24=水星

となって第三日は月から始まる。これを繰り返して行くと、土、日(太陽)、月、火、水、木、金、と七曜が完成する! おおお。惑星の順番までだいたいわかっていなければできない発想。古代人、天才ちゃうかと思った。

日本へは平安時代に空海が伝えた密教の一部、宿曜経として入ってきたらしい。とは言え江戸時代までにはほとんど忘れ去られるんだけど、平安時代の日記には曜日が付記されていたりするそうな。へええ。

後半はインド天文学のお話でこちらもインド独特の口伝を重視する学問のあり方がおもしろかった。天文にまつわる巨大な数字の音を一定のルールによって呪文のような韻文に圧縮し、それらを何年もかけて暗記し、理解するのだという。バナナの葉一枚にぎっしりと書かれたたったの8節に、とんでもない量の情報が詰め込まれているのだ。5世紀の理論書に地動説めいた謎の記述があることにも興味がそそられる。

当時インドの天文学者にとって地球が丸いというのが既に常識だったのに、一般には平らだと信じられていて、そのギャップと彼らがどう折り合いを付けていたのか、廣瀬さんはとても気になっているようだった。たしかに不思議。おもしろトピック満載の講演だった。

ちなみに公式サイトの報告と次回予告はこちら。次回もなかなかおもしろそう。毎週だとちょっとお腹いっぱい感あるけど、ぼっち参加にめげず、月一ぐらいこういうのにお出かけしておくと精神衛生上たいへんよろしい気がしました。はい。

〆はもちろん!縁蛸☆

〆は日本一おいしいたこ焼き、まさに蛸味のするたこ味焼きの京都元田中「縁蛸」でございます。当然です。京都ツアーの常識と言ってさしつかえない。

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